英語の共起表現を調べる3つの方法

英語を書く際に、正確かつ自然な表現を用いることは重要です。例えば「がんによる死亡率」を英語でどう書くか考える際に「mortality __ cancer」の前置詞に自信がなかったとします(of? from? by?)。また「cancer mortality」という表現も可能かもしれません。そんな時に役に立つのが、共起表現検索です。共起(コロケーション、collocation)表現とは、一緒によく使われやすい単語の組み合わせによる表現のことです。今回は、共起表現を調べる際に役立つソースを3つ紹介します。

1. ライフサイエンス辞書

URL:https://lsd-project.jp/cgi-bin/lsdproj/ejlookup04.pl

ライフサイエンス辞書(LSD)は、京都大学の金子氏らによって開発・運営されている生命科学領域の辞書です。PubMedに収載されている欧米人による論文での表現をデータベース化しており(コーパスは1億語に及ぶそうです)、大変便利です。その上無料です。

具体的な使い方としては、「コーパス」の検索窓に調べたい単語を入力することで共起表現を調べられます(「英和・和英」の検索窓に単語を入力した後「コーパス」ボタンを押すことでも検索可)。「mortality」で検索すると、mortalityが使われている論文での表現が多数表示されます(さらに検索結果の通し番号をクリックすると、該当のPubMed論文のページに飛びます)。

また「コーパス検索結果」は、2語・1語前、1語・2語後の単語でソートすることもできます。先ほどの「mortality __ cancer」の例では「mortality」の直後で使われる前置詞について知りたかったので、「1語後」の単語でソートしてみます。すると「mortality from (病名)」の表現がたくさん出てきます。

ここで「cancer mortality」という表現もできるのでは?と疑問に思ったとします。その場合は「mortality」の「1語前」でソートしてみます。すると「cancer mortality」と言う表現を含め「(病名)mortality」(all-cause mortality, cardiovasucular mortalityなど)もよく使われることが分かり、さらに英語表現の幅を広げることができます。

2. Weblio英語共起表現

URL:https://ejje.weblio.jp/concordance

こちらも無料で利用できる英語の共起表現辞書です。先ほどのライフサイエンス辞典と比べ、一般的に使われる表現が収載されているので、日常生活での用法を調べるのに向いていると思います(例えば「significant」という語をWeblio英語共起表現で調べると「重要な」という一般的な意味で使われる表現が主に出てきますが、ライフサイエンス辞書だと「(統計学的に)有意な」という意味で使われる用例も出てきます)。

3. Google Books Ngram Viewer

URL:https://books.google.com/ngrams

Google Books Ngram Viewerは、Google Booksの書籍情報をデータベースにしたもので、表現の出現頻度について、経年変化も含めて調べることのできるサイトです。基本的には検索窓に調べたい表現を打ち込むだけです。2つ以上の表現を比べる場合はコンマで区切ります。例として「morality of cancer, mortality from cancer」で検索すると、以下のようなグラフが示されました。一貫して「mortality from cancer」の方が「mortality of cancer」よりも、よく使われてきたようです。

今回は英語学習のツールとして紹介しましたが、Google Books Ngram Viewerは、言語や文化の研究の視点でも注目されているようです。Google Books Ngram Viewerについての概説を含む分かりやすい書評もありました(田野村ら、社会言語科学、2017)。

他にも色々な使い方ができ、例えば「Google, Facebook, Microsoft」や「MDGs, SDGs」で調べると以下のような結果が表示され、トレンドを感じられて面白いです。ただし、あくまで書籍(Google Books)の情報であることには注意が必要です。

・「Google, Facebook, Microsoft

・「MDGs, SDGs









・さらに詳しいGoogle Books Ngram Viewerの使い方については、こちらのYouTube動画(らいおん英語チャンネル【知らないと損】英語学習者が知っておくべきGoogle Ngram Viewerの使い方・活用法:TOEIC990点満点・英検1級 × コロンビア大学英語教授法修士が解説」)が分かりやすかったので、おすすめです。




Word for Macでショートカットキーを追加、編集する方法〜例)蛍光ペンのショートカットの追加〜

MicrosoftのWordには便利なショートカットキーが色々あります。Mac版だと、例えば以下のようなものがあり、作業の効率化に役立ちます。さらに、多ボタンマウスにショートカットキーを割り当てると、マウスのボタンを押すだけでその作業を実行できます(参考記事:8ボタンマウスで作業を効率化(エレコム EX-Gシリーズ)
  • command + C :コピー
  • command + V :ペースト
  • command + X :カット
  • command + Z :作業の取り消し
  • command + S :上書き保存
  • command + A :全選択
  • command + P :プリント
しかし、よく行う作業でも、元々の設定ではショートカットキーがない場合があります。例えば、Wordで書いた文章に「蛍光ペンを引く」という作業には、デフォルトでショートカットキーが設定されていません。そこで今回は、Word(Mac版)で、「蛍光ペンを引く」ショートカットキーを追加する方法を紹介します。

Word for Macで、ショートカットキー(例「蛍光ペンの追加」)を追加する方法


1. Wordを開き、左上の「ツール」から「ショートカットキーのユーザー設定」を選択します。
2. 分類の中から「すべてのコマンド」を選びます。
3. 「Highlight」を選択します(右側のコマンド入力欄に「highlight」と入力すると検索できます)。
4. 「ショートカットキーの指定」にある「現在のキー」が空欄になっていることから、デフォルトの設定ではショートカットキーが設定されていないことが分かります。



5. 「新しいショートカットキーを押してください」を選んで、任意の(割り当てたい)ショートカットキーを押します(ここでは、command + option + H)。割り当てたいショートカットキーが、既に別の作業に割り当てられている場合もありますが、新しい設定で置き換えることも可能です。最後に「割り当て」を押します。

6. 「現在のキー」に反映されました。




【無料】Macでメールを予約送信する方法(メールアプリ「Spark」を使って)

週末や夜中などの業務時間外にメールを書いたけれど、送信するのは平日の日中にしたい・・という時はありませんか?下書きとして保存しておいて、送りたい時に送信ボタンを押せば良いのですが、忘れそう・・そんな時は、送信を予約しておく機能が便利です。

Macで日時指定してメールを予約送信するには、いろいろな方法があるようですが、以下のSparkを使う方法がシンプルで簡単だと思います(しかも無料)。

メールアプリ「Spark」が優秀

メールアプリの「Spark」を使います(→公式サイト個人で使う場合は無料版で十分です。有料版では、チームでの共同編集作業をより効率的にできる機能等が備わっています。

1) Sparkは、Mac App Storeからダウンロードできます。Mac App StoreにはAppleによる審査を受けたアプリしか含まれないので、セキュリティ的にも安心です。

2) ダウンロードしたら、左上の「Spark>アカウントを追加」を選び、アカウントを追加します。

3) メールを新規作成する画面で、「送信」の右側にある、紙飛行機のアイコンをクリックします。

4) 予約送信する日時を指定します。分単位で指定できます。また「あとで」(数時間後)、「明日」、「週末」から選択することもできます。予約送信時間を入力したら「時刻の設定」を押します。


















5) 「予約送信」ボタンを押せば完了です。


追記:
・2022年10月登場のmacOS Venturaでは、標準のメールAppに送信予約機能が搭載されました(参考:Apple 公式サイト)。

・2022年10月4日にSparkが刷新され(Spark 3)、MacアプリのUIが大幅に変更されました。送信予約機能は変わらず使えるのですが、 使い勝手が変わったことについて評判は分かれているようで、10月13日の公式ブログ("Your questions answered: All-new Spark Desktop vs Spark 2 on Mac"では下記の案内がされています。

- これまでのSpark(Spark 2)も使い続けることができる。
- 旧バージョン(Spark 2)のサポートを、少なくとも1年は続ける。
- Spark2で無料だったものは、Spark3でも無料のままである。

なお今回のアップデートでは、Windows版もリリースされています。

Stataのログ(.smcl)ファイルをPDFに変換する方法

 Stataのログファイル(.smcl)は、Stataでの作業を記録するのに大変便利ですが、Stataでしか開くことができません。ログの内容を、Stataを使っていないパソコンで開いたり、Stataを使っていない人と共有したりするためには、PDFで保存するのが便利です。

ここでは、Stataのログ(.smcl)ファイルをPDFに変換する方法を2つ紹介します。

(1) Stataの"translate"コマンドを使う方法

Stataにはログファイル(.smcl)をPDFファイル(.pdf)に変換する、translateというコマンドがあります。
使い方は簡単で、translateの後に"変換したいログファイル.smcl" "変換後のPDFファイル名.pdf"と並べます。

translate "変換したいログファイル.smcl" "変換後のPDFファイル名.pdf"

例)
translate "C:\Users\Folder1\ログ.smcl""C:\Users\Folder1\ログ.pdf"

この例では、Folder1というフォルダに入っている「ログ.smcl」をPDFに変換した「ログ.pdf」が同じFolder1に作成されます。

(2) 印刷機能を使う方法

印刷機能を使ってPDFを出力することも可能です。例えばMacであれば、ログファイル(.smcl)を開いて、「印刷」を選ぶと「PDFとして保存」することができます。

Macを使って、Windowsで開いても文字化けしないzipファイルを作る方法(無料)

サイズの大きなファイルやフォルダを受け渡す時など、Macでファイルやフォルダを圧縮してzipファイルを作成したいことがあると思います。

Macには、ファイルを圧縮する機能が元々備わっています(Apple公式サイト)。
[方法1] 
(1) ファイルを右クリック
(2)"ファイル名"を圧縮。完成。
圧縮したいファイルをMac同士で受け渡す場合には、この方法が一番簡単で問題ありません。



しかし、この[方法1]を使って圧縮したファイル(WordやExcelなど)をWindowsで開くと、文字化けしてしまうことがあります。そこで、Windowsで開いても文字化けしないzipファイルをMacで作成する方法を紹介します。

[方法2] Windowsで開いても文字化けしないZipファイルをMacで作成する方法

(追記:下記で紹介するWinArchiverは2022/12/30現在、Mac App Storeでは利用できなくなっています。同じ開発者によるWinArchiverと同機能のアプリ(MacWinZipper)は、開発者のサイトからダウンロードできます(https://tida.co.jp/macwinzipper)。

(1) Mac App Storeで"WinArchiver Lite"をダウンロードします(無料)。Mac App Storeに載っているアプリケーションは、あらかじめAppleによる審査を受けているので、セキュリティ面でも安心です。有料版もありますが、無料版でも最低限の機能は使えます。

(2)ダウンロードしたWinArchiver Liteを開くと、空白のウィンドウが現れます。

(3) 圧縮したいファイルを、空白のウィンドウにドラッグ&ドロップします。













(4)自動的に現れるウィンドウで「設定」をクリック













(5)Windowsの言語バージョンを「日本語版 Windows」に変更し「閉じる」をクリック













(6)「Zipファイルを作成」をクリック(パスワードの設定もできます)。完成です。