1. ライフサイエンス辞書
URL:https://lsd-project.jp/cgi-bin/lsdproj/ejlookup04.pl
ライフサイエンス辞書(LSD)は、京都大学の金子氏らによって開発・運営されている生命科学領域の辞書です。PubMedに収載されている欧米人による論文での表現をデータベース化しており(コーパスは1億語に及ぶそうです)、大変便利です。その上無料です。
具体的な使い方としては、「コーパス」の検索窓に調べたい単語を入力することで共起表現を調べられます(「英和・和英」の検索窓に単語を入力した後「コーパス」ボタンを押すことでも検索可)。「mortality」で検索すると、mortalityが使われている論文での表現が多数表示されます(さらに検索結果の通し番号をクリックすると、該当のPubMed論文のページに飛びます)。
また「コーパス検索結果」は、2語・1語前、1語・2語後の単語でソートすることもできます。先ほどの「mortality __ cancer」の例では「mortality」の直後で使われる前置詞について知りたかったので、「1語後」の単語でソートしてみます。すると「mortality from (病名)」の表現がたくさん出てきます。
ここで「cancer mortality」という表現もできるのでは?と疑問に思ったとします。その場合は「mortality」の「1語前」でソートしてみます。すると「cancer mortality」と言う表現を含め「(病名)mortality」(all-cause mortality, cardiovasucular mortalityなど)もよく使われることが分かり、さらに英語表現の幅を広げることができます。
2. Weblio英語共起表現
URL:https://ejje.weblio.jp/concordance
こちらも無料で利用できる英語の共起表現辞書です。先ほどのライフサイエンス辞典と比べ、一般的に使われる表現が収載されているので、日常生活での用法を調べるのに向いていると思います(例えば「significant」という語をWeblio英語共起表現で調べると「重要な」という一般的な意味で使われる表現が主に出てきますが、ライフサイエンス辞書だと「(統計学的に)有意な」という意味で使われる用例も出てきます)。
3. Google Books Ngram Viewer
URL:https://books.google.com/ngrams
Google Books Ngram Viewerは、Google Booksの書籍情報をデータベースにしたもので、表現の出現頻度について、経年変化も含めて調べることのできるサイトです。基本的には検索窓に調べたい表現を打ち込むだけです。2つ以上の表現を比べる場合はコンマで区切ります。例として「morality of cancer, mortality from cancer」で検索すると、以下のようなグラフが示されました。一貫して「mortality from cancer」の方が「mortality of cancer」よりも、よく使われてきたようです。
今回は英語学習のツールとして紹介しましたが、Google Books Ngram Viewerは、言語や文化の研究の視点でも注目されているようです。Google Books Ngram Viewerについての概説を含む分かりやすい書評もありました(田野村ら、社会言語科学、2017)。
他にも色々な使い方ができ、例えば「Google, Facebook, Microsoft」や「MDGs, SDGs」で調べると以下のような結果が表示され、トレンドを感じられて面白いです。ただし、あくまで書籍(Google Books)の情報であることには注意が必要です。
・「Google, Facebook, Microsoft」
・さらに詳しいGoogle Books Ngram Viewerの使い方については、こちらのYouTube動画(らいおん英語チャンネル【知らないと損】英語学習者が知っておくべきGoogle Ngram Viewerの使い方・活用法:TOEIC990点満点・英検1級 × コロンビア大学英語教授法修士が解説」)が分かりやすかったので、おすすめです。